高齢者旅行高齢者の旅行は、本人が気遣ってしまったり、同行する家族など(介護者)が「安全に楽しんで貰えるか不安」だと考えてしまったりすることが多いため、諦めてしまっている方も多いと聞きます。

しかし、現在はバリアフリーやユニバーサルデザインの施設も多くなってきているので、事前の準備や確認をしっかりと行えば高齢者の旅行も夢ではありません。今回は、高齢者の関東への旅行にオススメするバリアフリー客室のある宿泊施設や、高齢者が安心して楽しめる旅行を成功させるポイントなどを紹介します。

高齢者の旅行にオススメ!バリアフリーな関東の宿

関東地方にある、高齢者でも安心して過ごせるバリアフリーの客室を用意している宿泊施設をピックアップしてみました。関東への旅行をする際には、行先にあった宿泊施設を探す参考にしてみてください。

ただし、ひとえに「バリアフリー」と表記されていてもバリアフリーの基準は宿によってまだ曖昧な部分もあります。できれば実際にインターネットで公式ホームページを見たり、ツアーであれば旅行会社に問い合わせをしたりすると、より安心です。

【茨城県】ホテルベストランド つくば

茨城県にある「ホテルベストランド つくば」は、つくばエクスプレス線の研究学園駅から徒歩1分圏内に位置するホテル。茨城県南への旅行であればどこへ向かうにもアクセスは良好です。「アクセシブルルーム」というバリアフリー対応の客室は、シングル、ダブル、ツインと3部屋用意されているため、予約も取りやすくなっています。

【栃木県】奥日光 源泉の宿 ゆの森

栃木県の「奥日光 源泉の宿 ゆの森」にも、バリアフリー対応の洋室ツインルームが用意されています。2~3名までの宿泊が可能。室内のトイレもバリアフリー仕様になっています。客室には小ぶりの露天風呂もついていて、ゆっくり温泉を楽しむことができます。

【群馬県】別邸 仙寿庵

群馬県にある「別邸 仙寿庵(せんじゅあん)」。全室が谷川岳を見渡せる露天風呂付客室のリゾート旅館です。バリアフリー対応客室である101号室の「りんどう」は、唯一の洋室で、ダブルベッドが2台のツインルームになっています。部屋には源泉かけ流しの広々とした専用露天風呂がついているので、いつでも温泉が楽しめます。

【埼玉県】かんぽの宿 寄居

埼玉県の「かんぽの宿 寄居」には、2台の介護支援電動ベッドが設置されているバリアフリールームがあります。客室にはお風呂もついていますが、浴槽用シートや浴槽用滑り止めマットの貸し出しがあるため安心です。さらに、車椅子を利用されている高齢者の方でも安心してくつろげる貸切風呂(介護機能付き家族風呂)も。この貸切風呂には介護用リフトや浴室用車椅子も用意されているのも嬉しいポイントです。

【千葉県】ホテルファミリーオ館山

千葉県の「ホテルファミリーオ館山」にも広めのバリアフリールームが用意されています。室内に車椅子対応のトイレとお風呂が設置されているだけではなく、宿泊可能な人数も2人~5人までとなっているのでファミリーでの利用にも向いています。関東の紅葉名所のひとつである小松寺や国や県が指定する多くの文化財を所蔵する那古寺への観光に便利です。

【神奈川県】箱根パークス吉野

高齢者の旅行といえば、温泉旅行が人気。関東への温泉旅行の候補地として、箱根を思い浮かべる方も多いはず。気軽に行きやすい神奈川県の箱根でオススメの宿は「箱根パークス吉野」。2013年12月に新しくオープンしたバリアフリー対応ルームは広々とした和洋室。客室内に半露天風呂がある所もポイント。ベッド(ローベッド)は2台ですが、畳に布団を敷くことで4名までの宿泊が可能です。「雲」「星」「月」と3つある貸切露天風呂のうち、「雲」はバリアフリー対応の温泉。洗い場へも車椅子のまま入ることができます。

高齢者も楽しめる旅行の鍵は?

関東各地のバリアフリー対応宿泊施設を紹介しましたが、高齢者の旅行を成功させるには事前準備が鍵。旅行で行ってみたい場所が決まったら、以下の点を参考に旅行の準備を進めていきましょう。

持ち物リストを作っておくと便利!

普段、自分で旅行に行く際に「持ち物リスト」をわざわざ作成する方はそこまで多くないかもしれません。しかし、高齢者の旅行は意外と持ち物が多くなります。例えば、高齢の方は自身の温度調節機能が低下しているため、夏であれば熱中症予防の帽子やサングラス、冬であれば防寒対策のためのカーディガンや膝掛け、ストールなどを準備する必要があります。

旅行先でもしもの事があり病院へ行く事になった場合のために、保険証やお薬手帳、普段飲んでいる薬なども忘れずに持って行った方が安心です。また、高齢の方は外出中に脱水がきっかけで脳梗塞を起こしてしまう場合があるため、水分補給をこまめに行うことも大事です。経口補水液を用意しておく方も多いですよ。

余裕を持ったスケジュールを立てる

高齢者の動きはゆっくりである上、体力も落ちているため疲れやすいことを忘れてはいけません。普段の旅行のように訪れたい場所ややりたい事を詰め込んだスケジュールを組んでしまうと、高齢者は楽しむ余裕がなくなってしまいます。また、慌てさせてしまうと思わぬ事故に繋がる場合も。 高齢者の旅行では小さなトラブルもつきものです。あらかじめトラブルに対応できるよう、余裕のあるスケジュールを組んでおきましょう。

移動手段の手配は慎重に!ツアーに参加するのも安心

高齢者と一緒に旅行をする際は、移動手段にも気を配りましょう。関東への旅行をする際に電車やバス、タクシーなどの公共交通機関を利用しようと考えている場合は、利用する駅や車両のバリアフリー化がどの程度整っているかをあらかじめ調べておきましょう。具体的には、車椅子用のトイレやエレベーターの場所、乗り継ぎの際の移動経路、新幹線利用の場合はチケットの手配方法などを事前に把握しておくと良いでしょう。

移動手段のひとつとして、高齢者の旅行では自家用車の利用がおすすめ。高齢者の旅行は持ち物が多くなりがちであるため、「トランクに荷物を積めるのが助かる」という場合も多いです。車椅子を利用する高齢者の場合は、思い切って介護タクシーや車椅子も乗車できるマイクロバスなどを貸し切ってしまうのも賢い方法。公共交通機関を利用する時に心配な周囲への配慮の必要がなく、乗車時刻に間に合わないなどの心配もありません。

さらに、まだ多くの方に認知されているとまでは言えませんが、観光庁では平成24年度からユニバーサルツーリズムの普及や促進を続けています。その取り組みや需要を受け、近年ではバリアフリーツアーを企画している旅行会社も少しずつ増えています。旅行会社によって内容は様々ですが、車椅子でも乗車可能なバスでの移動や、バリアフリー設備完備の旅館、介護ヘルパーの資格を持った添乗員の同乗など、高齢者でも安心できるツアー内容で組まれているものが多くあります。旅行の計画を立てることに自信がない場合や十分な時間が取れない場合は、そういったツアーを利用してみるのも良いかもしれません。

まとめ

バリアフリー客室のある関東の宿泊施設や、高齢者が安心して楽しめる旅行を成功させるポイントを紹介しました。近年は高齢者の旅行需要が増えていたり、施設のバリアフリー化が推奨されていたりするため、バリアフリーやユニバーサルデザインを取り入れた宿泊施設も多くなっています。

高齢者の旅行では事前の準備も大切。体温調節ができるものや常備薬、緊急時に必要な保険証などの持ち物が多くなるため、持ち物リストを作成すると安心です。また、高齢者は体力も低下しているため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。トラブルに対応できるよう備え、焦らせるようなことは禁物です。

慎重に検討したいのは移動の手段。公共交通機関も使いやすくなりましたが、より快適な旅にするために介護タクシーや車椅子が乗車できる貸し切りバスの利用も検討してみましょう。計画が難しい場合や初めての旅行である場合は旅行会社のツアーを利用するのも良いですよ。

  • 1出発地の所在地
  • 2旅行の種類
  • 3ご予算(1名あたりの予算)
  • 4旅行の行先
  • 1出発地の所在地
  • 2旅行の種類
  • 3ご予算(1名あたりの予算)
  • 4旅行の行先