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【車椅子で行く日帰り旅行】プランづくりのポイントを解説!
2021.01.19
「車椅子での旅行は難しい」「車椅子での旅行は準備が大変だから」と、旅行することを諦めてしていませんか?また、「車椅子を利用している家族が気遣って旅行を遠慮してしまっている……」といったご家族もいるようです。
しかし、平成中頃からバリアフリー・ユニバーサルデザインの考えが推進され始めたことで、現在では車椅子の方でも気軽に利用できる施設が増えています。
ここでは、車椅子旅行の初心者やそのご家族向けに「車椅子で行く日帰り旅行」のメリットやポイント、オススメのスポットなどを紹介します。
車椅子での旅行は日帰りから!日帰り旅行を選ぶメリットは?
車椅子での旅行は敷居が高い、どんな準備をしたら良いのかわからないと考えている人はまだまだ多くいます。バリアフリーやユニバーサルデザインの設備が広く浸透してきたとはいえ、もしも車椅子での旅行が初めてであれば、本人も同行者も「怖いな……」と考えてしまうことは当然とも言えるでしょう。
それでも、車椅子を利用するようになる前は旅行が好きで毎年行っていたという方はたくさんいますし、旅行に参加するメンバー全員が「出来れば旅行してみたい!」「旅行という非日常体験を一緒に楽しみたい!」と思っているなら、まずは日帰り旅行を計画してみるのがオススメ。
日帰りの旅行は基本的に近場となってしまいますが、「車椅子旅行初心者」にとっては近場ならではの安心感がメリットと言えます。車椅子での旅行は、気を配らなくてはいけないポイントがたくさんあり、そのひとつである「宿泊施設」の心配がいらない事もメリットのひとつと言えますね。心配事がひとつ減るだけでも、旅行へのハードルは大きく下がります。
車椅子を利用している本人も同行する家族なども車椅子での旅行に慣れてきたら、宿泊を伴う旅行にステップアップしてみるのはいかがでしょうか。
車椅子で日帰りプチ旅行を計画する時のポイント
車椅子を利用する方にとって、宿泊を伴う旅行よりもハードルが低めで楽しめる日帰り旅行。とはいっても、初めて行く場所となれば不安もありますよね。旅行といえば、事前の準備が大切。ここでは、日帰り旅行を行う際に注意しておくポイントを紹介します。
移動手段の手配は入念に!
車椅子で日帰り旅行をする際は、まず移動手段に気を配る必要があります。今は電車や新幹線の駅や空港等の整備も進んでいますが、希望の席の手配(車椅子を置くスペースのある席や車椅子用のトイレが近くにある席など)や、公共交通機関自体の構造を把握し、移動などにかかる時間を逆算しておかなければならないなど、面倒な作業が多くあります。
車椅子での旅行で心理的にも楽なのは、車での移動。自家用車であれば、荷物なども積めるので安心です。自家用車が使えない場合は、介護タクシーや車椅子も乗車できる貸し切りバスなどを手配すると良いでしょう。
車椅子でも楽に移動できる観光スポットを選ぶ
旅行で観光するスポットは、スロープやエレベーターなどバリアフリーの設備が行き届いており、移動のしやすいスポットを選ぶようにしましょう。また、可能であれば多目的トイレの場所も調べておくと安心です。
施設によっては車椅子用の順路が用意されている場所もあるので、そういったことも事前に把握しておくと当日スムーズに行動することができるでしょう。急なトラブルにも対応できるよう、余裕を持ったスケジュールを組んでおくと安心です。
旅行会社が企画するバリアフリーツアーを利用する
ゆっくりと旅行の計画を立てる時間取れない、または調べるのが難しいと感じている場合は、思い切って旅行会社に相談してみましょう。旅行会社が企画しているバリアフリーツアーに参加するのも「安心できる旅行」を叶えるためには有効です。
旅行会社にもよるので比較検討はした方が良いのですが、一般的にバリアフリーツアーであればヘルパー資格を持つ添乗員が同行してくれることがほとんど。家族が介助可能な場合でも、慣れない場所ではプロの資格を持つスタッフのサポートが頼りになります。観光のための時間配分やトイレ休憩の回数なども旅行会社が計画してくれます。
こういったツアーでは、一人旅のサポートを行っている会社もありますので、もしも「車椅子でも一人旅がしたい!」と考えている方がいれば利用してみるのも良いでしょう。
車椅子でも楽しめる!全国の厳選おすすめ観光スポット
車椅子でも楽しめる全国のおすすめ観光スポットを紹介します。歴史的建造物から海水浴、水族館、フラワーパークなど車椅子でも観光できるスポットはたくさんありますので、日帰り旅行を計画する時などの参考にしてみてください。
【東北地方:福島県】ふくしま海洋科学館(アクアマリンふくしま)
福島県にあるふくしま海洋科学館は、「アクアマリンふくしま」の愛称で親しまれている東北地方最大級の水族館です。エレベーターで4階まで上がり、ゆるやかなスロープを下りながら鑑賞できる車椅子専用の順路が用意されており、ストレスなく進むことができます。
館内はレストランも含めてバリアフリーが整っています。各階に多目的トイレを設置している他、メインゲート(券売所)では車椅子の無料貸し出しも行っています。
【関東地方:茨城県】大洗サンビーチ
茨城県の大洗サンビーチは北関東最大級の広さを誇りながら、「日本初のユニバーサルビーチ」としても有名な海水浴場です。
車椅子で利用できる専用駐車場・更衣室・簡易シャワー・トイレ・スロープなどを設置しており、砂浜の上でも不自由なく動くことができる「ランディーズ(水陸両用特殊車椅子)」やライフジャケットの貸し出しも無料で行っています。車椅子を利用していることで海に入ることを諦めていた方も安心して利用でき、ビーチを楽しめます。
海岸線から太陽が昇ってくる朝日はまさに絶景。早起きできるのであればぜひご覧になってみてください。
【中部地方:山梨県】山中湖 花の都公園
山梨県にある花の都公園は、無料エリアと有料エリアが分かれている回遊式のフラワーパークです。春はチューリップやネモフィラ、夏はアナベル(あじさい)やひまわり、秋にはコスモスなど四季折々の花を見ることができる他、有料エリアにある温室「フローラルドームふらら」では年間を通して美しいランや可愛らしい多肉植物などを鑑賞することができます。
一部車椅子で入るのが難しい場所もありますが、基本的な園路はバリアフリー化されているのでスムーズに進めます。駐車場では車椅子の貸し出しも行っており、園内には車椅子用のトイレもあります。
また、近くには温泉もあるため、帰りに立ち寄るのもいいでしょう。
【近畿地方:奈良県】東大寺
奈良県の東大寺も見ごたえのある観光スポットのひとつ。一部車椅子で通行するのが難しい場所もありますが、奈良県営駐車場から大仏殿の入口までは道の中央が車椅子でも通行できるよう平らな石畳で整備されています。
大仏殿は車椅子の方用(スロープルート)の参拝入口が設けてあります。大仏殿へ入るには有料のチケットが必要ですが、チケット売り場へは車椅子で行くことができません。もし車椅子利用の方の一人旅であった場合は、車椅子の方用スロープルート入口にいるスタッフに伝えれば代わりにチケットを購入してもらえます。2018年にリニューアルされたばかりの東大寺ミュージアムも、全館バリアフリー設計になっているのでおすすめです。
まとめ
車椅子旅行の初心者やそのご家族向けに、車椅子での日帰り旅行をするメリットや注意しておくポイント、おすすめの観光スポットなどを紹介しました。車椅子を利用している方への理解は進んでおり、「車椅子だから行けない」という場所は昔よりも少なくなっています。
とはいえ、初めて車椅子で旅行する方や、まだ車椅子での旅に慣れていない方などは不安に感じる事も多いでしょう。「車椅子だから旅行は無理」だと思っている方や、本当や旅行に行きたいのに「車椅子だから」と諦めている方も、車椅子での旅行は不可能ではありません。ここで紹介したポイントやおすすめの観光スポットを参考に、ぜひ日帰り旅行からチャレンジしてみてくださいね。